1.モーラー奏法とは?
そのメリットを知るとイメージが掴み易い。
極論すれば、特殊なフォームにより生まれる『余裕』(マージン)を様々な事に使える、
というのが最大のメリットだ。
その余裕を例えばパワーに振り向ければ、音量UP、音質向上が期待出来る。
スピードに振り向ければロール系のスピードUP・持続力UP。移動にも生かせるし、
さらに究極のカタチとしてスティックがひとりでに踊りだすかの如き片手連打も、
アクセントの有無も自在に操れるようになる。
左右を組み合わせればルーディメンツにも新たな展開が望める。
習得に時間はかかるが、端的に言ってあなたの従来のプレイ・表現力を数段レベルUPさせることも、
まったく新しい次元の違うプレイスタイルを開拓することも可能だ。
この夢の奏法を私は、ニール・ソーセン氏直伝の、つまりフレディ・グルーヴァー・システムに則り、
更に解りやすく補足・発展させて指導して行く。
(ニール氏とはグルーヴァー氏の元で20年余に渡り学んだ米国在住の凄腕のレッスンプロである。)
ニール氏お墨付き・認可済みであるから、安心して当校の門を叩いて欲しい。
ただし、ある程度の基礎が身に付いている事が条件になる。
2.ノリのよい、グルーヴしたドラムプレイとは?
特に黒人のファンキーなグルーヴに関しては、
『体幹を一定周期で波打つように動かしながらプレイする』のが答だ。
どういう事か?
実は楽器演奏に限らず黒人が身体を使う際、例えばボクシング等の格闘技、
陸上のトラック競技、ダンス、はては単なる歩行等に至るまで、
ある共通した原理のもとで身体を動かしている。
当の黒人は全く無意識又は無自覚にこれを行っており、
従って他人に説明したり教える事が出来ないのが常だったが、
近年ダンスの分野では解明され、既に常識化し学習法も確立している。
それが『体幹を動かす』メソッドだ。(体幹とは首から胴体迄の部分をさす)
黒っぽいグルーヴの音楽(ファンク)の特徴は『テンポがある範囲に偏っている』、
『8ビートではなく16ビートか、もっと細かいリズムである。』、
『しばしばバウンスし、ハネ具合も曖昧になるがテンポ自体は変わらない』、
『気持ち良くて止まらなくなる。結果、曲は長くなる』等だがすべてこの原理で説明出来る。
ではダンスの練習をすれば事足りるかといえば、そうもいかない。
ドラマーは座っているため腰は余り動かす事が出来ない。
位相の問題もある。拍の表と裏どちらに波の始点を持ってくるか。
波の頂点と谷底それぞれの時点でフォームも違ってくる。
体幹を動かす事でショットの微妙な位置が不正確になり音が濁る危険もある。
波の周期を曲のテンポと一致させるのも存外難しい。
つまり体幹の動きをドラムプレイに活かすにはダンスとは違う難しさがある。
しかもこれはある種のファンクの楽曲に限った話しである。
ではJAZZの4ビートは、シカゴ・シャッフルは、スローな6/8拍子は、3拍子は、
そして8ビートを叩く際のグルーヴィーな身体の動かし方はどうなのか?
安心して頂きたい。
私がスティーヴ・ジョーダンやレオン・エンドゥグ・チャンスラー(共に著名な黒人グルーウ゛ドラマー)に
習った経験を元に、具体的・明瞭な方法を編み出しているのだから。
体幹を揺らすファンクも、他の様々なリズムもグルーヴィーに叩きたいなら
迷わず当校に習いに来てみて欲しい。
3.あらゆる音楽スタイルを会得できる。
複雑で格好よいエスニック・リズムを、またはJAZZをプレイしたい、というドラマーが実に多い。
(確かにボピュラーな音楽は洗練に向かう余りリズムは単純化していく傾向にあり、
より土着的な音楽の方がリズムは複雑、多様で面白いとはいえる。
ただ、普通の8ビートこそ逆の意味で一番難しいのだが、それについては5、で後述する)
さてエスニック・リズム演奏の際大事なのは、そのリズム特有の“FEEL”を表現出来る事だ。
なにもエスニックに限った事ではないが。
決して小難しいパターンを叩いてみせて自分の腕をひけらかす、事が大事なのではない。
そしてご存知の通りエスニック・リズムは本来ドラムセットでは無く
特有の民俗打楽器で合奏される事が殆ど。
従ってリズムの“感じ”、雰囲気を掴むには、本物の楽器を、伝統的奏法で演奏するのが一番なのだ。
しかもなるべく全パートを。そのうえでドラムセットへ適用するのがベストな学び方である。
当校には、世界の多彩な打楽器が揃っている。
しかも講師の松木はドラムと同じ位民俗打楽器の演奏、研究が好きな男だ。
希望すれば手取り足取り教えてくれる。
例えば近年人気のジェンベ類は、
低音域のジュンジュン等も揃い6パートのフル編成でアフリカの様々なリズムを経験可能。
さらにもっとも注目されているカホン。
ドラムセットの代用としての使い方は勿論、フラメンコ等の複雑なリズムへの応用も丁寧に指導。
ここ迄はお馴染みだろうが、
そもそもカホンの発祥の地であるペルーでの使い方にも言及するのは珍しいだろう。
楽器自体も違う。響き線の無いタイプを見た事もあろうが、あれがペルー式だ。
そしてキューバ系ならコンガ、ボンゴ、ティンバレス、カウベル、クラベス、マラカス、ギロ、シェケレ等。
しかもコンガ類は4サイズが揃い、一人一台、四人でルンバ・ワワンコーを合奏できる。
ブラジル系ならサンバ・バツカーダ用のスルド、タンボリン、ヘピニキ、カイシャ、アゴゴ、ガンザは勿論、
パゴージ用のタンタン、ヘボロ、ヘピーキ・ヂ・マォン、ヘコヘコ等も揃っている。
パンデイロもジャンル別に各種用意しているのが自慢だ。
そして私が大好きな中近東系。
ダラブッカ(エジプシャン・タブラ)、リクに加え、ダフ(ハンド・ドラム、フレーム・ドラム)、
ベンディール、ジル(フィンガー・シンバル)、ダヴル、モロッカン・タムタム、
更にはグナワ用にモロッカン・カスタ迄を駆使して豊饒な異文化世界へと誘う。
特にダラブッカは非常に優秀な楽器である。一度は触れてみる事をお勧めする。
ケルト系では先ずはボーンズ。
豊富な材質・サイズを揃え、伝統的な片手奏法から両手奏法までも指導。
また、驚異のオリジナル・テクニックである片手二連打・四連打はここでしか習えないだろう。
勿論ボゥロンも、その特徴的なバチ(シピン)も各種取り揃えて選定の助言から演奏指導迄を行う。
ちなみにスプーンも含めこれらの楽器のフレーズは、ケルトのダンスのそれととても近い。
ダンスの欧から米への伝播経路から思うにタップ・ダンスとも似ているのはうなづけるところ。
それはつまりモーラー奏法の連打系のフレーズとも近い、という事だ。
当校の授業内容はかくも全て繋がっている。
好奇心旺盛な講師・松木は他にも様々なエスニック・リズム、打楽器を現在進行形で研究中である。
勿論それぞれを専門の先生に習うのが一番だが、経済的・時間的に大変である。
あくまでドラマーとして幅広く学ぶならば当校を越える教室はそうはなかろう。
加えるならドラムと違う『合奏』の妙味も体感出来るのが教室で多人数で学ぶことの利点だ。
実はウェザー・リポート等で活躍した著名なパーカッショニスト・ドラマーのA.アクーニャ氏に習った際に
心に残った言葉がある。『いつも神に捧げる気持ちで演奏している』という意味の事をおっしゃっていた。
深い言葉で沢山の意味が内包されているのだが、
一つには謙虚に『他者』(神)を意識して『我欲』を捨てる姿勢がある。
これはほかの演奏者の音をよく聞く事につながる。
また司祭たる指揮者、
あるいは何らかの基準(多くは低音楽器だ)に全員が合わせるからこそ合奏のリズムがまとまる、
といった重要な事実も示していただいた。
大体バンドでは周りの楽器がドラムに合わせてくれる場合が多く、他の楽器の音なんて聞かない、
テンポキープもメロメロなのに自覚が無いってな事態に陥りがち。
バンドだって合奏だ。いつもテンポキープに徹してばかりでいいわけがない。
特に即興の要素があればテンポ以外の音量やアレンジ等で即座に反応せねばならない!
あらゆるドラマーに打楽器合奏の経験をお勧めする。
ところで私はJAZZも民俗音楽の一つだと考えている。
もちろん古典的な時代のものに限るが。
意外と演奏上の決まりが多く、楽器を選ぶ点、ダンスとの関わり、などから
まさに伝統芸能を学ぶに等しい労力が要ると思う。
それに現地アメリカ育ちならば特有のFEELは大概は生れつき身に付いているが、
他国人は苦労して学ばねば会得出来ないのもまさにエスニック。
同じドラムでもJAZZはシンバル、スティック、ブラシ、ヘッド、チューニング等に気を配る必要があるが、
当校では民俗打楽器同様、可能な限り本物を使用して指導する。
更にスティーヴ・ホートン氏(秋吉敏子&ルー・タバキンorch.)、
深水洋氏というオーソリティーに習った際の、目から鱗の金言の数々、
私(松木)自身のJAZZ界での演奏経験からのノウハウ等を惜し気もなく伝授して行く。
(実は日本人は世界一ボサ・ノヴァが好きな民族だ。
ボサを『感じを出して』演奏出来るようになりたいドラマーの方も多かろうが、
JAZZの素養に加えモーラー奏法と現地楽器の合奏経験が極めて有効。
当校程相応しい場所はあるまいと自負している。)
あなたが、一つか二つのリズムパターンしか叩けないドラマーで終わりたくないなら、
真に表現力に溢れ様々なリズムを生き生きと叩き分けられるようになりたいなら来たれ!わが校へ。
4.当校のレッスンは、毎回基礎と実践の二部構成をとる。
当校のレッスンは、毎回基礎と実践の二部構成をとる。
その第一部では、ルーディメンツを始め基礎力養成に有用なメソッドを必ず指導するので、
いやでも土台がしっかりしてくるというわけだ。
流れとしては先ずスネア(練習台)で教え、そして時にはドラムセットへの応用へと進む。
そもそも打楽器界に於いて基礎と同義のルーディメンツだが、たとえ初歩的なものでも、
究めるには不断の努力を求められる奥の深いものである。
だがわかってはいても地味なために独学ではつい飽きてさぼりがち。
そこを様々に工夫をこらして楽しく学べるノウハウを当校は持つ。教室に通うメリットの一つだろう。
ただし、ルーディメンツの種類自体、今では最初期から比べると大幅に増え、
更にスイス式やハイブリッドなども加わり膨大な数になっているのは事実。
だが安心して欲しい。当校は最先端のプレイスタイルへの目配せも怠らない。
常に最新情報の紹介に努めて行く。
更にモーラー奏法を駆使して、既存のものをより豊かに表現したり、
見た事も無いルーディメンツを学べるのも当校ならではのポイントだろう。
どんなレベルの方も基礎鍛練を日々怠ってはならないのはおわかりと思う。
特に独学でやって来て壁に当たった、伸び悩んでいると感じている方は
ぜひ当校で基礎を見直してみては如何だろう。
5.ロックの歴史に沿った奏法の伝授
尊敬するコージー・パウエル氏(黎明期より長く英国ハード・ロック・シーンで活躍なさった名ドラマー。故人。)
から、はるか以前ドラムのセミナー合宿でお聞きしたある言葉がある。
『音量だけなら私を上回る生徒さんもいるが、リラックスしてプレイしなければよいフィールは出せない』。
氏の生音を聞くのは貴重な経験だったが、確かに音量が大きいばかりではなく音質が綺麗なのに驚いた。
ところでロック・フィールとは何だ?
『リラックス』することが、特に大音量で叩く際必要なのはJAZZや他のジャンルでも同じ事だ。
それだけではロック特有の雰囲気・感じを説明するに十分ではない。
しかし確かに目前で叩くコージーはまさにロックの権化、素晴らしいフィールがだれにでも感じられるのだ。
ただコージーの叩き方もセッティングもかなり独特で、当時の私には真似は愚か分析すら困難だった。
以来考え続けた。
では我々がロック・フィールで叩くにはどうすればよいのか?
様々な勉強と経験を積み重ねて来た今ならわかる。
対称的なJAZZの叩き方と比べてみると一番はっきりするのだ。
実は1960年代にドラムセット奏法の革新が起こっている。
それは“JAZZ フィール”とは異なる“ROCKフィール”の発見。
ロックという新しい音楽の発展に伴い、主に電気機材の発達に対抗する必要からド ラムの出音に
大音量が求められるようになったのがその直接的な原因であった。
目に見える変化としては、レギュラー・グリップからマッチド・グリップへ。
フォームが変わると並行して楽器のセッティングも変わった。
それを主導したのは主に英国のドラマーたちである。
現代に至るまで実は米国のロック・ドラマーはJAZZの素養を感じさせる方々も多い。
だが英国のドラマーに関しては何かが違う。
その謎も、近年のベテラン・バンドの来日ラッシュや、
往時の映像資料の発掘により真実が解明されて来たのだ。
それらを数多く見ていた私はある重大な事に気が付いた。
それこそがロック・ドラミングの独特のfeelの源泉だった。
それが何か知りたければ是非、当教室に入校して確かめて欲しい。
ヒントは、細かいゴースト・ノート(グレイス・ノート)が無くなること、マッチド・グリップ、だ。
ボゥロンやボーンズのケルト系民俗楽器も重要。
ロック特有とされるヘビーなタイム感、とか低音強調などの副次的な現象もこれでスッキリ説明出来る。
(恰好の例を観た事がある。
英・米のピアノロックスター、エルトン ジョンとビリージョエルの ジョイントコンサートだ。
それぞれのバック・バンドのドラマーは叩き方・セッティング、
ついでに楽器まで母国製を使うなど、まさに好対称であった。
どちらも正しくロックであり、ツイン・ドラム時も発音はピッタリタイミングが揃っていたが、
やり方は180度違った。)
さて、1960年代には他にも重要なドラミングの革新が起こっている。
ハネないリズム、8ビートの定着である。
実は英国式ロック・ドラムの叩き方はこのハネないリズムの演奏にも適していた。
それまでのポピュラー音楽はJAZZの影響が強く、バウンスするリズムばかりであった。
フランスのシャンソン、日本の歌謡曲を思い出してみよう。
これは土着的・コアな民俗音楽でも同様で微妙に或は明らかにハネるリズムはとても多い。
これは当たり前で、地球の重力の元で人類が暮らしている限り、
音楽のリズムはハネる方がハネないより自然である。
従ってハネないリズム・8ビートは実は不自然なリズムで、人工的に作らたものなのだ!
土着的なリズムほどハネる一方、
商業音楽として巨大化してより多くの人の耳に触れるようになると洗練化、
省略化してこの一見音数の少ない単純に思えるハネないリズムが生まれて来た。
ではその正体とは?元になったリズムがあるのではないか?
そもそも太古の昔、音楽とダンスは不可分であったそうだ。
そしてジャンプ系のダンスは三連に近いハネたリズムになるので伴奏音楽のリズムもそうなる。
黒人音楽のJAZZもスウィング期まではまごう事なきダンス音楽であった。
ちなみに白人音楽カントリー・ブルーグラスもケルトをルーツにするだけに同様にハネる。
ところでハネない人間の動作といえば?
例えばすり足歩行がそうだ。だからある種のダンス音楽はハネない。
欧米に於いて1950年代にはラテン音楽のブームがあったわけだが、
マンボもチャチャチャもハネないリズムだ。
このチャチャチャが8ビートの原型、というのが仮説の一つ。
いやビギンではないのか、中近東系では、
JAZZの4ビートが突然変異的にハネなくなったロックン・ロールの、
いやトラッド・フォーク系のカントリーでは、など諸説がある。
多分どれも本当だ。つまり8ビートは一見同じにみえても、
曲によりジャンルによ りもっと複雑なエスニック・リズムを内包しているかもしれないわけだ。
それを見抜いて叩き分けるのはなるほど簡単ではない。
さらに基準たる四分音符を細かく分割するほど演奏タイミングは計りやすいのだが、
最小の二個に細分する8ビートは、
3連系や16ビート(4分割)に比べキメが粗いぶんタイミングが取りにくく難しい。
音の数自体は減るから簡単に聞こえるのとは実は逆だ。
だが、ご安心を。当校ではここもバッチリ対策済み、目から鱗が落ちる事うけあいだ。
特に吹奏楽などで正規にドラムスの指導を受けて来た方にロック・フィールの習得に苦労する事例が多い。
これはグルーヴと並んで最も教えるのが困難とされて来たが、当校は具体的・明瞭に指導出来る。
興味のある方は是非入校して欲しい。